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開いたスペースとオーナー
「コンサートの後には、感想を語り合いながら飲み食いして交流したいでしょ。そうなると、自宅でコンサートを開くのがラクだったんですよ」と話す平家さんは、自宅で年に3~4回、無料のクラシックコンサートを開催。毎回プロの音楽家を呼んで、20~30人ほどの観客が集まるという。
クラシックコンサートを自宅で開けるなんて、一戸建ての大豪邸かと思いきや、平家さんが住むのは、京都市にあるコーポラティブハウスの一室。住居は70㎡弱のワンルームだというから驚きだ。
コーポラティブハウスとは、住み手が土地取得から設計などを自分たちで手掛ける集合住宅。手間や時間がかかる分、住む人の好みに合わせた設計が可能で、平家さんの住まいも部屋の中心に備えつけのベッドがある個性的な間取りだ。
「今で言う、ミニマリストのような感覚で家づくりをしたんです。客間や寝室、子ども部屋など、あれこれ欲しがると無限に広い家が欲しくなりますが、予算の関係上、そうもいかない(笑)。時間で区切って空間を使うということに決めて、用途で部屋を区切らないワンルームにしました」。ワンルームにしたことで、どんなシーンでも空間を広々使えるため、演奏家のほかに観客が数十人入っても、平気なのだとか。
そもそも、平家さんが自宅で開くコンサートは、集合住宅の集会所で開かれていたものが前身。「このマンションにあったらいいな」と思うイベントについて話し合った際、コンサートという意見があったことがきっかけで、住民数名が自分たちでオファーし、集会所にプロの音楽家を招いてコンサートを開催。それがだんだんと平家さんの自宅で行われるようになったそうだ。音の問題などを考えると、自宅よりも集会所のほうがコンサートには適しているように思えるが、自宅でのコンサートの醍醐味(だいごみ)は、なんといってもそのくつろげる雰囲気にある。
普通のクラシックコンサートのようにかしこまらず、それぞれが好きな格好で聞けるので、観客は椅子だけでなく床や窓辺に座ってもOK。小さな子どもも生でプロの演奏を聞くことができるというのは魅力的だ。「演奏者も、自然体で音楽を楽しんでくれる観客の姿を見ることができたり、コンサート後の交流会で率直な感想を直に聞けたりするので、うれしいみたいですよ」と平家さん。
演奏会後の交流会は自然と持ち寄り制になり、参加者が手づくり料理や自分のおすすめのお酒を持ってくるなど、それぞれが自身の個性や得意技を披露し合える場にもなっているそうだ。「持ち寄り制といっても、"持ってこなければいけない"というルールに縛られているわけではないんです。自分の行いで、人が喜んでくれることに喜びを感じられる人たちが自然と集まっていることで、心地よい空間が生まれていると感じています」
また、コンサートを開くとなると、気になる集客だが、それに関しても、平家さんは自然体。観客は居住者以外の外部から来る人が多く、わざわざ電車で遠方から聞きにくる人もいるそうだが、当日誰が来るのか、平家さんは一切確認をしないそう。「少なくたって構わないし、誰が来たってウェルカムですから」という平家さんの大らかなスタンスが、長続きの何よりの秘訣のようだ。
かつて演奏会が行われていた集会所。外部に面し、地域に開いたつくりになっている
広々とした集会所では、今もサークル活動やイベントが行われている
コンサート主催メンバーが1万円ずつ出し合い購入したピアノは自宅コンサートの原点
初心者の自分たちでも弾けるよう、住民サークルメンバーで編曲を行い、楽譜も作成
空いてるスペース
施主名 | 平家直美 |
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開いているスペースの面積 | 約67m2 |
開いているスペースの% | 約100% |
住所 | 京都府京都市西京区 |
営業時間 | 3~4カ月に1回程度不定期開催 |
建物形態 | マンション |
取材・文/島田美那子 撮影/河原大輔 写真提供/平家直美 間取りイラスト/tokico
情報掲載日/2016年5月25日
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