不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)トップ > 家を開く > 実例一覧 > 夫婦二人三脚で営む、くつろぎの一軒家カフェ
開いたスペースとオーナー
平日でも多くの人通りがある吉祥寺。そんな街の中心部に近接する住宅地の一角に、一軒家カフェ「ふたつの木」はある。最大12席をゆったりと配した店内。大きな窓をしつらえたオープンな空間は、靴を脱いでくつろげる気取りのない雰囲気だ。
オーナーは3年前、ここに転居してきた林さん夫婦。妻・愛さんの実家に隣接する古い一軒家を建て替え、その1階部分を使ってカフェを始めた。
「じつはここには、もともと私の大叔母の家が建っていました。実家とは庭続きなので、小さい頃からよく遊びに来ていましたね。5年ほど前から私たち夫婦がここに住み始めたんですが、建物がかなり老朽化していたため、建て替えることになったんです」(愛さん)
新居の設計は知人の設計士に依頼。ゆくゆくは夫婦でお店をやりたいという願望もあり、1階部分はカフェ仕様に。ただ、実際に店を開くのはまだまだ先のことだと考えていた。それが、新居完成後わずか1カ月後にはプレオープン。夫も会社を辞め、カフェ一本でやっていく決意を固めた。夫婦の一大決心、その背中を押したのは、3.11の震災だった。
「もしかしたら明日死んでしまうかもしれない。そう考えたら、もたもた夢を先延ばしにしていられないって。それに、好きなことをやって生きている姿を子どもに見せたいという思いもありました。もちろん夫は仕事を辞めず、最初は私だけで店を回していくという選択肢も考えられましたが、それだと夫の収入に甘えてしまうし、できるだけ家族がいつも近くにいる方がいいと思って覚悟を決めました。夫がいてくれることで仕事はもちろん育児の面でも何かと助かりますし、結果的には大正解でしたね」(同)
なお、メニューづくりや調理は病院の管理栄養士として4年半のキャリアをもち、栄養学にも長けた愛さんが担当。顔の見える農家から取り寄せる安全・安心な食材を使用し、昔ながらの伝統的な調理法や献立にこだわっている。
「まずは、自分の子どもにも安心して食べさせられる食事を提供したい。そして、献立を通じ、日本古来の豊かな食生活を伝えていきたいという思いもあります。カフェといってもただ食事をするだけではなく、色んなことを発信できる場所でありたいですね」(同)
そうした思いから、店内ではイベントも積極的に開催。自身が好きなもの、心地よい体験をシェアする場所として活用している。
「私、じつは健康マニアなんです(笑)。ですからここでは同じように、自身の体を整えることに興味がある方たちに集まってもらって、私が体験して良いと感じた健康法などを、押しつけではなくシェアできたらいいなと思っています。たとえば、毎月実施している『冷えとりの会』では、体を温め、自然治癒力を高める冷えとりについてお話しています。他には料理教室や味噌作り、節分・ひな祭りといった祭事の飾り付け講座などもやります。昔ながらの食文化や暦を感じられるものが多いですね」(同)
こうしたイベントが同じ趣向をもった仲間を呼び込み、数々の刺激的な出会いも生まれた。リピーターやファンも増え、忙しくも楽しい毎日だという。充実の表情が、3年前の大きな決断が間違いではなかったことを物語っていた。
シーリングライトにもこだわりが。旧家で使われていた障子を天井に張り、そこから光が差し込むつくりに
テイクアウトの焼き菓子も用意。今後はギフトセットなども用意し、品揃えをさらに充実させていく予定
食器や備品類は叔母から譲り受けたものや頂き物で極力賄い、初期コストを節約
自宅で仕事をすることで心身ともにリラックスできていると林さん。親や夫の助けを受けながら、仕事に育児に邁進している。
空いてるスペース
施主名 | 林 愛 |
---|---|
構想期間 | 7年 |
開いているスペースの面積 | 約37m2 |
開いているスペースの% | 約25% |
住所 | 東京都武蔵野市 |
ホームページ | http://cafe-futatsunoki.jimdo.com/ |
建物形態 | 一軒家 |
取材・文/榎並紀行<やじろべえ> 撮影/藤本和成 間取図イラスト/tokico
情報掲載日/2014年4月16日
夫婦二人三脚で営む、くつろぎの一軒家カフェ| 家を開く | SUUMO
不動産・住宅サイト SUUMO(スーモ)トップ > 家を開く > 実例一覧 > 夫婦二人三脚で営む、くつろぎの一軒家カフェ