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公私の両立を叶える、理想の自宅兼サロン

開いたスペースとオーナー

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公私の両立を叶える、理想の自宅兼サロン

東京都港区、築40年を過ぎた中層マンションの一室に、都心で働く女性が足しげく通う癒やしの空間がある。アロマセラピスト・桑本友紀さんが営む完全個室・予約制のプライベートサロン「アトリエアイシス」だ。オフィスビルが立ち並ぶ大通りを道一本隔てた、緑豊かな神社の境内に隣接。表通りの喧騒がまるで届かない、心地よい静寂に包まれている。

桑本さんは服飾専門学校卒業後、希望のアパレルメーカーに就職。だが、忙しい毎日のなかで次第に心と身体のバランスを崩してしまう。「もう少し自分のペースで社会に貢献できることはないか」……そう模索していたころに出合ったのが、アロマを使って人を癒やす活動だった。
その後、アロマスクールの広報として働く傍ら、国際アロマセラピスト連盟の資格取得をはじめ、さまざまなスキルを身につけていった桑本さん。アロマの仕事にのめり込むうち、自分のサロンを開きたいと考えるようになる。

「イギリスではアロマテラピーが民間療法でも用いられるなどすごく身近で、セラピストが自宅でサロンを開くケースも珍しくありません。そこで、2006年に自宅の1室を開き、お客様を迎えることにしました」
開業に当たり、何よりもこだわったのが施術スペースの空間づくり。

「じつは以前も同じ港区内のマンションに住んでいたのですが、お客様をお迎えするサロンを開く上では、もう少し趣が感じられ、心からリラックスできる空間が理想でした。その点、ここは味わい深いドアノブや照明、重厚感のある板張りの床など、歴史を重ねた物件ならではのたたずまいがあり、ひと目で気に入ってしまいました」

セラピスト自身が心からくつろげる場所であることが、いい仕事につながると考える桑本さん。まさにここは理想のサロンといえる。加えて、自宅という安心感も心の余裕につながっているようだ。外で働いていたときに比べ、自身のプライベートも大きく変わったという。

「家を仕事場にしてからは、昼間に近所の方々と交流できるようになりました。マンションの住人の方々と一緒に野菜を育てたり、アロマの虫よけスプレーを手づくりして共用スペースで使ってもらったり。ひとりで仕事をしているので、地域交流の時間が人と人の結びつきを感じるリフレッシュタイムになっています」

桑本さんの目標は、アロマセラピストとして生涯現役でいること。そのためにも、公私ともに恵まれた現在の環境を大事にしていきたいと考えている。

  • 豊かなご近所づきあいも
    自宅仕事ならではのメリット
    マンションの管理員さんや住人の方々と「園芸部」を立ち上げ、一緒にエントランスの植物を栽培。また、日中は犬の散歩に出て、近所の人々と言葉を交わす。フルタイムで外に働きに出ていたころには叶わなかった、豊かな交流を楽しんでいるという。
    豊かなご近所づきあいも自宅仕事ならではのメリット
  • リビングに備え付けられた大きな鏡と収納が大活躍
    リビングに備え付けられた
    大きな鏡と収納が大活躍
    リビングには造り付けの大きな鏡が。施術後、お客さんが身だしなみを整えるのに便利。鏡の隣には壁一面の収納スペースもあり、カルテや小物の整理もしやすい。こうした点も、この部屋を選ぶ決め手となったという。
  • ハードな毎日でも
    自宅なら無理なく続けられる
    ここでの施術以外にも訪問ケア、スクールでの講師などを務める桑本さん。ハードな毎日だが、施術中は「心も身体も自由になれる」と、あまり疲れは感じないとか。居心地のよい自宅サロンだからこそ、どんなに忙しくても続けられる。
    ハードな毎日でも自宅なら無理なく続けられる
  • 高品質のアロマを選定し澄んだ穏やかな香りを提供
    高品質のアロマを選定し
    澄んだ穏やかな香りを提供
    アロマの小瓶を集め始めたのは高校生のとき。今ではそれが天職になった。サロンで使うアロマオイルは品質にこだわり、イギリスの病院、ホスピスなどで広く使用されている精油・植物油を取り寄せる。
  • ドアノブひとつとってもなんだか可愛らしいデザイン。歴史ある物件ならではのレトロな味わいが随所に感じられる

    ドアノブひとつとってもなんだか可愛らしいデザイン。歴史ある物件ならではのレトロな味わいが随所に感じられる

  • 施術スペースの棚はお気に入りの調度品で飾り付け。好きな小物に囲まれることで、自身もリラックス

    施術スペースの棚はお気に入りの調度品で飾り付け。好きな小物に囲まれることで、自身もリラックス

  • 施術前にはコンサルテーションを行い、お客さんの体調や好みに合わせてアロマオイルをブレンドする

    施術前にはコンサルテーションを行い、お客さんの体調や好みに合わせてアロマオイルをブレンドする

  • この場所を拠点に、アロマテラピーをもっと身近なものにしていきたいと桑本さん

    この場所を拠点に、アロマテラピーをもっと身近なものにしていきたいと桑本さん

かかった費用は?

資格取得のスクール費用も含め240万円程度。

アドバイスとこれからの展望

自宅でサロンなどを開く場合、「自宅ならではの心地よい空間づくり」を目指されるとよいと思います。私自身もこの空間と人、そして提供する施術が調和したときを境に、それに共感し、心地よいと思ってくださる方が集まりはじめた実感があります。お客様からは「お友達のお家に遊びに行ったときのように居心地がよくて幸せでした」といううれしい声をいただくこともあります。これからもそうしたプライベート感を大事にしながら、気軽な体験コースなどで少しずつアロマテラピーの間口を広げていきたいですね。アロマケアサロンというと、なんとなく贅沢なイメージもありますが、ここはあくまで疲れたときの息抜きとして、気軽に来られる場所でありたいと思っています。

間取りとDATA

間取り1

空いてるスペース

施主名 桑本友紀さん
構想期間 2年
開いているスペースの面積 約23m²
開いているスペースの% 約30%
住所 東京都港区
ホームページ http://www.atelierisis.com/
建物形態 マンション

取材・文/榎並紀行<やじろべえ> 撮影/藤本和成 間取図イラスト/tokico

情報掲載日/2013年9月18日

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メディア掲載履歴

2013年11月28日
TBS「Nスタ」で紹介されました。
2013年10月19日
「“自宅で自分らしく働く”ワーキングスタイル&マネー術」公開セミナーを開催しました。

一覧はこちら

更新情報

2016年6月15日
【実例追加】 近隣住民も集う マンションの日曜喫茶
2016年5月25日
【実例追加】 おうちでコンサート!室内楽を気軽に楽しむ
2016年4月28日
【実例追加】 住人、地域をつなぐマンション内の名物マルシェ
  • 住活マニュアル 賃貸部屋探し編
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