人と人を結ぶコミュニケーションサロン
開いたスペースとオーナー
結婚して夫の実家である広島に引越してから、50歳を超えるまで専業主婦だったという倉本さん。「私の人生、このままでいいのかな?」と思い立ち、初めて運転免許を取得。行動範囲が広がったことで、「人生が大きく変わった」という。
広島のコニュニティFMに売り込んで、大好きな映画について話す「シネマパーソナリティ」として活躍。広島の著名人をゲストに招くなど、交友範囲も一気に広がり、自宅に人を招く機会はどんどん増えていったそうだ。
また、子どもたちへの読み聞かせボランティアを始め、会場として自宅を開放。宮澤賢治ファンを集めて読書会も立ち上げた。さらに、知り合いの演奏家を招いてのサロンコンサートや、シネマルームを開放しての上映会など、積極的にイベントを企画している。
参加者は近所の同年代の友人から、アートを志す20代の若者までさまざま。「頑張ってる人は応援したくなっちゃう」という倉本さんは、「忌憚のない意見やアドバイスをしてくれる」と若手からの信頼も厚い。また、自宅で音楽に触れるうち、同居する夫の母が、80代にしてピアノを習い始めるという変化も。
「今は、家の中だけの生活を続けていたら体験できなかった、すてきな時間を過ごしています。でも、まだまだやりたい企画がたくさん!」と笑う倉本さん。お茶を飲みながらの楽しいひとときは、これからも増えていきそうだ。
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- リビングでお茶しながら
音楽や物語、会話を楽しむ
- 月1回のペースで開催している読書会「宮澤賢治の会」や、子どもたちへの読み聞かせの会の本選び、音楽家を招いてのイベントなど、サロンのテーマはさまざま。広いリビングで、お茶しながら、全員で楽しい時間を過ごす。
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- 本格的なシアタールームが
上映会場に
- 年間500本もの映画を見るという倉本さんだけに、シアタールームは本格仕様。リビングとは別に専用の部屋を持っており、そこに人を招いて、お気に入りの映画の上映会を行うこともある。座りごこちのよいソファに身をゆだねると、外の時間を忘れそうだ。
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- ピアノ、バイオリンなど
プロの演奏に触れる時間も
- サロンでは音楽を楽しむイベントも多い。読書会「宮澤賢治の会」で「セロ弾きのゴーシュ」を取り上げたときは、チェロ奏者を招いてコンサート。映画上映会では、映画音楽をジャズアレンジしたピアノ演奏会を開催した。
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- 応援したい人、
紹介したい人たちをつなぐサロン
- 写真左は日本画家の荒川智史さん。サロンコンサートでは自費で若手の演奏家、イベントのときにはパントマイムパフォーマーなど応援したい人がいれば、積極的にサロンに招いてみんなに紹介し、つながりを広げていく。
かかった費用は?
- サロン開設にあたって新たにかかった費用はなし。本格的な設備を備えたシアタールームも、アンティークのグランドピアノがサロンの雰囲気にピッタリのリビングも、住まいを建て替えたときからこのままだという。
アドバイスとこれからの展望
- 「私は常々、どうせ歳を取るなら『ポジティブに歳を取りたい』と思っているんです。たった一度の自分の人生、やりたいことがあるならやってみないともったいないじゃないですか。やってみないと何も始まらない。だから、アドバイスするとしたら、『悩んでいるならやってみれば?』ということでしょうか? 私は人が大好きで、人が集まる家にしたいと思っていましたが、おかげで今でもいろんな人から、たくさんのパワーをもらっています。ですから、これからもサロンはずっと続けていきたい...。大好きな音楽や映画、そして大切な仲間たちに囲まれて、すてきな時間を過ごしていけたらいいですね」
間取りとDATA
空いてるスペース
施主名 |
倉本まさこさん |
家族構成 |
施主夫婦、母 |
開いているスペースの面積 |
約75m² |
開いているスペースの% |
約35% |
住所 |
広島市佐伯区五月丘 |
営業時間 |
サロン開催時のみ |
建物形態 |
一戸建て |
取材・文/西村祥子 撮影/古石真由弥<スタジオケンゾー> 間取図イラスト/tokico
情報掲載日/2013年6月5日
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