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開いたスペースとオーナー
都内の住宅街に建つNさん邸は、もとは二世帯住宅。現在はひとつの建物内にふたつの玄関をもつ、賃貸併用住宅として生まれ変わった。同じ屋根の下に暮らす2つの世帯は家族や親戚ではなく、他人同士。2階3階部分に暮らす70代のNさん夫婦が、1階部分を若いOさんファミリーに貸している。
「一緒に暮らしていた母がなくなり、2人の子どもも成人して家を出ました。せっかくの3階建てを余らせておくのはもったいないので、リフォームして誰かに住んでもらおうと思ったんです」(Nさん)
かつてドイツに暮らしていたNさん。お金がなかった若いころは住まい探しに苦労したという。そんな自身の経験から、日本に滞在する海外の若者が敷金・礼金なしで借りられる場所をつくりたかった。
「東日本大震災で家を失う人が多いなか、1軒でも誰かに住む場所を用意できるのは意義のあることだと思いました。まさかOさんが住むことになるとは思わなかったですけどね(笑)」
Oさんはリフォーム会社の営業。じつはこの家のリフォームもOさんが担当した。改装を手がけるうち、この家の暮らしやすさとNさんの人柄に惹かれ、入居したいと思うようになったという。
「前に住んでいたアパートは入居者同士の交流がまったくなく、孤立しがちでした。でもここにきてからはNさんからおかずをお裾分けしていただいたり、海外の旅話を聞かせてもらったり。何か困ったことがあったときも、すぐに助けを求められる。僕らにとっては、本当の実家みたいな心強い存在ですね」
不思議な縁がつないだ2つの世帯。並んで立つと、本当の親子、孫にしか見えない。高齢化世帯が孤立しがちな昨今において、NさんとOさんの関係性はロールモデルのひとつといえるかもしれない。
賃貸部分のクローゼットや玄関には、Nさん所有のタンスと棚を備え付けた。「いいモノを長く使う」のがドイツの流儀だという。
リフォーム前からあった床下収納もそのまま残した。随所に、賃貸住宅としての使い勝手を考慮した工夫がなされている。
海外から日本にやってくる知人に、3階の和室を開放することも。床の間がある畳の空間はゲストに大好評だという。
3階にはゲスト用のシャワールームも設置。「旅館のようにくつろいでもらいたい」とNさん。知り合いが多いため、宿泊料などは一切とっていない。
空いてるスペース
施主名 | Nさん |
---|---|
家族構成 | 夫婦 |
構想期間 | 20年 |
開いているスペースの面積 | 268.8m² |
開いているスペースの% | 約30% |
住所 | 東京都杉並区 |
建物形態 | 一戸建て |
取材協力 | 旭化成ホームズ |
取材・文/榎並紀行<やじろべえ> 撮影/飯田照明 間取図イラスト/tokico
情報掲載日/2013年3月29日
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