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ものづくりを通じて「地域の和」をつなぐ、一軒家工房

開いたスペースとオーナー

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ものづくりを通じて「地域の和」をつなぐ、一軒家工房

世田谷区の住宅街に立つ一軒家。扉を開けると、手づくりのかわいらしい手芸作品が出迎える。玄関から続くギャラリーの奥では、5~6人のご婦人方が栗の木の長テーブルを囲み、和布を使った小物づくりを楽しんでいた。笑顔の中心にいるのは「あかねこうぼう」主宰の大嶋夕子さんだ。自身も機織り作家として長いキャリアをもつ夕子さん。夫と暮らす自宅で、自らの作品を展示するギャラリーを開いたのは7年前のことだ。
「もともとここは私の実家でした。7年前に母が亡くなり、『家を残してほしい』という母の願いもあったので、終の棲家にするつもりで夫と実家の土地に越してきたんです。ただ、かなり老朽化していたので建て替えが必要でした。せっかく新築するなら、私の生涯のライフワークである機織りのためのスペースと夫が希望する書斎をつくりたいと思ったんです」
2階には機織りのワークスペース、1階にはギャラリーを設け、4年前からは「ものづくり」の講座も始めた。自身が講師を務める「手紡ぎ」をはじめ、「刺繍の会」「手編みの会」「水彩画の会」など、さまざまなジャンルの講師を招いた教室を週替わりで実施している。
「私がここでギャラリーを始めたとき、色んな人から『私も作品を展示したい』『誰かに教えてみたい』という声を頂きました。そこで、ギャラリーを広く開放すると同時に、何かを教えたい人と教わりたい人を集めて、定期的に教室を開くことにしたんです」(夕子さん)
最近では、小学校の春休みや夏休みを利用して、近所の子どもたちを集めた教室も開催。3日間で200人以上の小学生が集まったこともあり、教室に通う50~80代の受講者がものづくりを教えている。今では世代を超えてふれあえる貴重な機会となっている。

  • 通行人がふらりと立ち寄る
    気軽なギャラリー
    「あかねこうぼう」の手づくり看板に誘われてふらりと立ち寄る人も多い。近所の小学生が突然、飛び込んできたことも。入口に置かれた教室の案内チラシは補充してもすぐになくなってしまうという。
    通行人がふらりと立ち寄る気軽なギャラリー
  • 月10回の講座は毎回大盛況
    月10回の講座は
    毎回大盛況
    ギャラリーの奥は通常はリビングキッチンだが、講座の日は教室として開放。元気な笑い声が絶えない和気あいあいとしたムードだ。講座後はコーヒーを飲みながら、自分たちのつくった作品を披露しあう。
  • お土産より
    「糸」が気になる
    どんな場所に旅行しても、お土産より「糸」が気になってしまうという夕子さん。また家の中には、夕子さんが自分の作品をつくるために、草木染めをし、紡いだ糸がいたるところに飾られている。
    お土産より「糸」が気になる
  • 2階にある工房で作品づくりに勤しむ
    2階にある工房で
    作品づくりに勤しむ
    2階に設けられた夕子さんのアトリエ。巨大な機織り機とデザイン用のパソコンが置かれ、色とりどりの無数の糸が保管されている。ここでラジオを聞きながら糸を紡いでいる時間が本当に幸せだという。
  • 玄関もギャラリースペースとして活用。和モダンな内装にマッチした、温もり溢れる作品を展示している。

    玄関もギャラリースペースとして活用。
    和モダンな内装にマッチした、温もり溢れる作品を展示している。

  • この日のギャラリースペースはひな祭りらしい華やかな装い。愛らしいひな飾りが展示されていた。

    この日のギャラリースペースはひな祭りらしい華やかな装い。愛らしいひな飾りが展示されていた。

  • 30代後半から本格的に機織りを始めた夕子さん。「あかねこうぼう」の屋号はその時から使用している。

    30代後半から本格的に機織りを始めた夕子さん。
    「あかねこうぼう」の屋号はそのときから使用している。

  • 春休みや夏休みには近所の小学生向けに教室を開催。ものづくりを通して地域の和をつないでいる。

    春休みや夏休みには近所の小学生向けに教室を開催。ものづくりを通して地域の和をつないでいる。

かかった費用は?

家の新築費用とは別に、教室を開くための備品代など、準備に100万円ほどの費用がかかった。教室を運営するためのコストは「世田谷区地域の絆推進事業」の助成金や、自身の作品の販売代金などでまかなっている。

アドバイスとこれからの展望

「私は場を提供し、活動は「世田谷トラストまちづくり」がアンケートで募集した運営委員の方たちに助けていただいています。一人でできないことは抱え込まずに役割分担することも大事だと思います。
染織は、私にとっては天職。創作活動をしていると時を忘れてしまうほど楽しい仕事です。昨年は、自分の時間がなかなかつくれなかったのですが、今年は秋くらいに自分の個展をやりたいと思っていますので、作品づくりの時間を確保していきたいと思っています。
正直、大変なこともありますが、受講者の皆さんや近所の小学生の笑顔を見ると疲れも吹き飛びます。これからも教室やギャラリーはずっと続けていきたいと思っていますので、作品づくりの時間も確保し、バランスを考えながらやっていきたいです」

間取りとDATA

間取り1

空いてるスペース

施主名 大嶋夕子さん
家族構成 夫婦
構想期間 半年
開いているスペースの面積 約265m²
開いているスペースの% 約45%
住所 東京都世田谷区祖師谷
建物形態 一戸建て

取材・文/榎並紀行<やじろべえ> 撮影/藤本和成 間取図イラスト/tokico

情報掲載日/2013年3月29日

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メディア掲載履歴

2013年11月28日
TBS「Nスタ」で紹介されました。
2013年10月19日
「“自宅で自分らしく働く”ワーキングスタイル&マネー術」公開セミナーを開催しました。

一覧はこちら

更新情報

2016年6月15日
【実例追加】 近隣住民も集う マンションの日曜喫茶
2016年5月25日
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2016年4月28日
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  • 住活マニュアル 賃貸部屋探し編
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